第1章 出会い
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「…………はたけ上忍。なぜ………」
警戒した様子のお母さん。
「お子さんが迷われていた様だったので。」
「それはその………お手数をおかけしました。ユキ」
カカシの肩に乗っていた私はお母さんに抱き抱えられる。カカシの方をちらっとみると、ぐしゃぐしゃの顔はどこにいったのか済ました顔のカカシがそこにいた。なるほど、これが幻術というやつか。違和感が全くないところからカカシが只者ではないということが分かった。
「それではすみませんでした。ユキ、ほらありがとうは?」
「ありがとうございました!またねカカシ!」
「ちょっ!?ユキ!?」
「あぁ、いいですよ。一人で遠くに言っちゃダメだよ。じゃあねユキちゃん」
愛想の良い笑顔のカカシに眉を潜める。私は何故そのような風に振る舞うのか尋ねようと口を開きかけたが、お母さんに抱っこされてしまいそれは適わなかった。
「………………」
カカシにバイバイをするとカカシはウインクをしながらしーとしたあと、手を振り返してくれた。
そして、私はこのあとさんざんお母さんに怒られ、普段怒らないイタチにぃにも怒られ、サスケにぃには泣かれ、しまいには帰宅してきたお父さんにも怒られるという地獄が待っていた。
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「……なぜ木の葉の上忍が……」
泣きつかれたユキが寝静まった夜。動く影が3つ。
「…………わかりません。警戒されているのでしょうか?」
「………いや。それはないだろう。だが、慎重に動かねばなるまい。あの男は手強い。」
「………………ユキは………何をしにどこへ行っていたのでしょう?」
「分からん。だが、これからは注意した方がいいだろう。あの子のことが木の葉の者に知られるやもしれん。」
「そう………ですね。」