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悪色に染まる

第1章 出会い


「………すっきりした?」

「……………ああ。」

ハンカチでおじさんのぐちゃぐちゃの顔を拭いてあげた。目も鼻も真っ赤になっていたけど、晴れ晴れとしたような顔になっていた。

「…………ここで俺が泣いたこと内緒な」

「分かってるよ。しーだね。」

「というか、お前帰らなくて大丈夫なのか?」

……………………あ!

「い、………今何時!?」

「………3時」

や、やばい!あれから2時間も経ってた!それに3時って……お母さんもイタチにぃも帰ってくる時間だ!

「か、かかか帰らなきゃ!」

慌てて走り出すと、体がひょいっと持ち上がった。

「送る。遅くなったのほとんど俺のせいだしね。」

「え?でもおじさん。その顔で行くの?」

「さっきから思ってたけど………おれまだおじさんて歳じゃ……」

「じゃあなんて呼べばいいの?」

「そういえば自己紹介まだだったね。俺ははたけカカシ。君は?」

あ!そういえば。

「私はうちはユキ。よろしくね!カカシ!」

「(この子うちはだったの)…………呼び捨て……まぁ、いいけどね。」

☆☆☆☆☆☆☆

その頃家では大騒ぎだった。ミコトとイタチが帰ると最初に飛び込んできたのは大泣きのサスケ。サスケが少し家から離れた隙にユキがいなくなったようだ。近所にも探しに行ったらしいがどこにもいなかったという。

「ご、ごめんなさい!俺が………ヒック………俺がユキから離れたりするから…………ごめんなさい!!」

「大丈夫よ。すぐ見つかるわ。」

ミコトは泣きじゃくるサスケを抱きしめるが、目が動揺していた。そしてサスケに部屋で待ってるように言う。

「お、俺探してくる。」

「お願い。お母さんは……お父さんのところへ行ってくるわ。」

イタチたちの父はうちはの頂点。その言葉からただごとじゃない光景が想像出来た。

「………母さん…ユキは…」

途端に青ざめるイタチにミコトは微笑む。

「もしもの時よ。大丈夫。多分どこかでお昼寝してるのよ。」

だが、その言葉とは裏腹に内心では焦っていた。もしも………もしも攫われて国境を超えたりでもしたら………。ミコトの心は不安でいっぱいだった。

「ただいま」

声のする方を振り返るとそこには誰かに抱えられていたユキがいた。しかもユキを抱えているその人物は、あの有名なはたけカカシその人だった。






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