第2章 輝いてみえて
部室をでると廊下は静まりかえっていて、心なしか体が軽くなった。
軽くなったあしどりで歩きながらこのあとすぐ返しに行くか自分の教室に戻るか考えていると
「黒子っ!」
火神くんにいきなり呼ばれた。
火神くんと呼びかけ、どうしたんですか?と尋ねた。
一緒に教室まで行くのかと思ったが、火神くんは立ち止まりなにかそわそわしていた。
彼らしくなくて、眉をひそめた。
少しイラッとしたが、声にださずに火神くんの言葉を待っているとようやく口をひらいた。
「黒子、あ…のさ……。」
と頬を少し染めながら俯く彼を見て目を見開いた。
こんな火神くんは見たことがない。
「きもちわるいです。」
あまりにもそのしぐさが似合わなくてそんな言葉がポロッとでてしまった。
「うるせーなっわかってるよ!だからそんな目で見んなぁぁぁ!」
彼は半泣きでうったえてきた。
無意識のうちに僕はあわれみの目でみていたようだ。
そんな目でみてたなんてなんかおもしろく思えてきた。
ふっと笑っていたら急に肩をがしっと捕まれた。
びっくりして顔を上げると火神くんの目がキッと僕をとらえた。
「オ、オレもついていこう…ぐふっ…!」
何を言うかと思えばキミもですか。さっきの部室のことで少しイライラしてたのもあり、その言葉を聞いた瞬間彼の腹に一発いれていた。