第2章 輝いてみえて
朝練の事件(?)後、急いで着替えていると、木吉せんぱいが近づいてきて「その手帳どうするんだ?」と聞かれた。
当然返すつもりだが、手帳には名前しか書かれていなかった。
つまり返すあてがないのだ。黙りこんでいるとやっぱり、とつぶやかれた。
「彼女は2年1組だよ。」
僕の心を読んだように木吉せんぱいは言い、返すついでにちゃんと見てきなよ、と笑うので僕は少し苦笑いでお礼を言って部室を出ようとすると、後ろでみんながざわざわし始めた。
「おい、黒子っ!お前2年1組に行くのか!?だったらオレも…」
「いや!ここは彼女を見つけやすいように鷲の目を持っているオレが…」
「いやオレが…!」
「僕が!」
ここぞとばかりにみんながオレが僕がと寄ってきた。
なぜ渡しに行くだけなのについて来る必要があるのだろうか。
いりません、と言うが聞こえてるはずがなさそうなので、音を消して部室を出た。