第3章 膨らんでく想い
ズキッ
胸が握りつぶされたかのように痛んだ。
そんな俺を見てか俺の気持ちを知っている黄瀬が気をきかせて早く帰ろうと言い出し、俺たちは歩き出した。
それから俺はまともにの方を向けなかった。
せっかく逢えたのに。
そんな自分が腹立たしくて無性に走りたくなった。
「わりぃ。俺先走って帰るわ。」
「えっ?ゆきっ!?」
が驚いて俺を呼ぶが、今の俺には振り返る勇気などなかった。
それから少し走って頭が冷え、冷静になった俺はその場にしゃがみこんだ。
「くそっ。」
ガキか俺は。
さっきまでとは違う理由でまた自分に腹が立った。
そして俺はまた後悔する。
もう逃げないって決めたのに
ギュッと掌を握りしめる。
俺は今でもお前を…………