第2章 輝いてみえて
ちょうどヒットしたので少しの間うずくまって動けないでいた。
「テメェ……」
つんっ
「ぐわっ!!」
ビターンと大きな音をたてて倒れた。
彼がよろよろ立ち上がろうとするから後ろにまわって膝の裏を軽くつついたのだ。
彼は気づくこともなく立ち上がろうとしていたので、不意をつかれたのかヒザから大きく崩れ落ちたのだ。
今絶対僕の頬は緩みきっていると思う。
すると、今度は本当に動かなくなってしまった。
少しやりすぎたかと思うと、火神くんの肩がふるえだした。
大丈夫かと思い立ち上がるのを手伝おうと手を伸ばしたら彼は急に立ち上がった。
「黒子テメェ!こっちが下手にまわ、れ、ば……っていねぇーー∑」
……………え?
「くそ、どこ行きやがった。教室か!?黒子ぉぉぉぉー!」
どどどどどと言わんばかりに音をたてて走っていった。
……後ろにいたのに。
伸ばした手が虚しくおろされた。
おろすと同時にチャイムが鳴り響いた。
1限が始まってしまうと思い、急いで教室へ戻った。
手帳を返しに行くのはお昼のときにしようと思った。