第2章 輝いてみえて
「ん………。」
なんか額が冷たい。
あれ、僕今なにして…………
ガバッ
「きゃっ!?」
倒れた、というのを思い出して急に起き上がると驚いた声と缶が上からふってきた。
缶?
どうして上から…
缶を拾うと左右の温度が違う手に両頬を挟まれた。
「ちょっと顔赤いのひいてないけど大丈夫?ちょっとそれで冷やしたんだけど。」
と僕の持っている缶を指さした。
いまいち状況を飲み込めず、首を傾げた。
「黒子くんいきなり倒れるからびっくりしちゃった!顔とか赤かったからジュースで少し冷やしたの。」
と彼女は言ってジュースの缶を開けて僕に渡してきた。
お礼を言って受け取り、口に流しこむと冷たいジュースが喉を一気に潤した。
缶が冷たいから持ってる片方の手だけが冷たくなる。
それに気づいて彼女の左右の手の冷たさの違いの意味を理解した。
缶を持って冷やしてくれてたんだと。
「ありがとうございました。もう大丈夫です。」
自然と頬が緩んでしまってきっと僕の顔はすごい間抜けなんだろうな。
でも、緩ませずにはいられない。
だって、今はあの憧れられてる先輩と2人っきりなのだから。