第14章 【第十三章】黄瀬の海
その時だった。
バーーーーーンッ!!!!
2人(+1人)の乗った船の船内が爆発した。
「なっ?!」
「なんだ?!?!」
揺れる船内に、黄瀬と火神が体制を低くして、手をつくと、黄瀬の背後に黒い影が通り抜ける。
そして…
カキーーーンッ
剣同士のぶつかる甲高い金属音が響く。
黒子の持っていた中剣が弾かれた。
「……さすがですね。これでもダメですか?」
「アマいッスよ。黒子っち…。」
黒子は頭から血を流し、片目をつぶり、クラッと倒れてしまう。
そして、ニヤリと笑った黄瀬が、勝利を確信した瞬間だった。
「甘いのは、君です。」
黒子が呟いたと同時に、黒子の中剣が黄瀬の真横を横切った。
シュパッ!
「ッ!!!」
ツーーー……
気がつくと黄瀬の頬から、一筋の血が流れた。
「血…?…これ…俺の血?」
その血を確認するように、黄瀬は自分の頬に手を滑らせ、手を見る。
赤い血が指についた。