第14章 【第十三章】黄瀬の海
黄瀬は、日向達の乗った船に乗船し、捕虜になっていた笠松達と合流した。
「いいのか?」
乗船した黄瀬を見て、笠松はまっすぐ問うと、
「…え…?」
ポロリと黄瀬の目から流れたのは、涙だった。
その様子に誠凛軍は言葉を失い、笠松は両腕の鎖がほどかれた。
そして、笠松は黄瀬のもとへゆっくり近づき、誰に話すでもなく語りだした。
「…コイツはコイツなりに、俺たち海常の民と、帝光大国を救おうと動いていたんだ。
…俺より年下だっつうのにな……オラッ!領主だろ!泣くんじゃねー!!」
笠松は、黄瀬の脇腹を乱暴に蹴っ飛ばし、うろたえたところで首根っこをひっつかまえた。