第6章 【第五章】新しい仲間
「ここにいたのね、火神クン。」
突然、火神と黒子がいる飲食店に、リコと日向が入ってきた。
「?…あ、受付にいた!」
火神はさっき受付で会ったことを思いだし、リコの顔を指差す。
「私は、誠凜国、国家直属騎士団隊長、相田リコ。こっちはその騎士団の団員の日向クン。」
後ろに控えていた男子を、軽く紹介すると日向は軽く手を挙げて挨拶した。
「…俺に何か用っすか?」
火神はリコと日向をジロリと睨み、警戒した。
「率直に言うわ。火神、貴方を騎士団にスカウトしたいの。」
「は?」
まさか、スカウトされるとは思わず、間抜けな声を出して、リコを見た。
「君も知ってると思うけど、今、世界中の国が緊迫状態に陥ってる。誠凜もそう。もうすぐ戦争になるわ。」
「戦争?」
リコの話に現実味を感じられないでいる。
「知らない?帝光大国が他国を侵略して、どんどん国土を拡げているのよ。…もう、すぐそこまで、帝光大国の軍隊が迫ってる。だから、少しでも有力な戦士を味方に入れたいのよ。」
「っ、そんなこと言われても、俺、ここの住民じゃねぇし。この国のために戦う理由なんて…」
突然の話で頭は着いていけないが、明らかに厄介事に巻き込まれそうで、警戒すると。
「今、この国を滅ぼそうと進軍してるのは、帝光大国:海常、大将は領主の黄瀬涼太。
この侵略戦争で、帝光大国の領主たちは“キセキ”と呼ばれ恐れられてる。」
リコは、スッと息を吸い。
「強いわよ。」
火神に効果的な一言を口にした。
火神は明らかに興味をもち、リコの話に聞き入った。
「私たちと戦って。」
リコはトドメに火神に詰め寄った。