第6章 【第五章】新しい仲間
「お前、それで足りんの?」
火神は大量に注文したハンバーガーを片っ端から食べていく向かいで、黒子はズズッとバニラシェークを飲んでいた。
「この国の名物ですよ?気に入ったんです。」
火神は競技場で話し掛けてきた少年を観察していた。
『…戦士控え室に居たってことは、コイツも戦士だったってことだろ…?あの戦いの中にいたのか…?』
「なぁ、お前もあの戦いの中にいたのか?」
「いました。」
「いたのか?!どこに?!?!」
「え?普通に戦ってました。」
「…嘘だろ…?」
向かいに座る明らかに弱そうな黒子に、『ジョークか…?』と開いた口が塞がらない。
「俺はさ、それなりにつぇと思ってる。だから、強い奴かどうか分かるつもりだ。でも、お前からはまったく感じない。」
「……僕の戦い方は、君とは違います。」
「?」
「暗殺の一種です。」
「暗…殺…?」
「戦火の中で僕みたいな兵士は面と向かって立ち向かったら死にます。瞬殺です。」
黒子は平然と話している。
「だから僕は、気配を消し、人に紛れて戦います。」
その時、ハッと気がつく。
赤軍の自分が白軍をどんなに倒しても、開かない脱落者の数。
白軍には自分の様に目立って強い奴はいないのに。
「お前、白軍にいたのか?」
「はい。」