• テキストサイズ

~囚われの姫君~【中世☆黒子のバスケ】

第5章 【第四章】君を助ける為に…


「私はね、誰も信用していない。君には、姫を逃がそうとした罰で、この窓から飛び降りて貰おう。」


檻の部屋に唯一ある窓、そこから飛び降りろと、不適な笑みで迫っている。
腕には、力なくぐったりとした桃井を抱えて。


「駄目っ!やめて!二人には手を出さないで!!!」


大切な友を亡くすかもしれない恐怖に、美桜は力の限り叫んでいた。


「……そうだね、姫も悪い子だ。私の言うことは何でも聞くと約束したのに…逃げようとするなんて…」


ニヤッと壊れた笑顔で不適に笑う総一、美桜は初めて“絶望”を感じていた。


「君にも、後でお仕置きしよう。」


静かに猟奇的に語られる言葉を聞きながら、起死回生の機会を狙う黒子。
しかし、その思惑は簡単に打ち砕かれる。


「さぁ、ネズミ。窓から飛び降りろ。…私はこの娘を殺すことに、何の躊躇もないよ?」


そして本当に躊躇せず、総一は桃井の首にナイフを押し付け、白い首筋に一筋の赤い血を滴らせる。


「……んっ!…」


その時、首の痛みで桃井の意識が戻った。だが、まだ完全に戻っていないのか、焦点の定まらない瞳で視線をさ迷わせている。
グラグラする視界の先に、黒子と美桜を見たきがして、瞳を揺らす。


「………テツ…くん……………美桜…姫…?」


朦朧とした意識を掴もうと瞬きをするが、身体が思うように動かない。分かるのは、自分の首に感じる熱だけだった。


「っ!………止めてください。」


黒子は何も出来ない自分に、激しい憤りを感じて、怒りで短剣を持つ両手が固く握られる。



/ 97ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp