第5章 【第四章】君を助ける為に…
「…武器を捨てて、飛び降りろ…。」
殺意を宿した総一の瞳を、黒子は真っ正面に捉え、目の前の敵に勝てない絶望を感じる。
「…僕が飛び降りたら、二人は助けてくれますか…?」
黒子は静かに問うと、総一は満面の笑みで微笑み告げた。
「あぁ。」
と。
「駄目っ!テツヤっ!ヤメて!!!」
取り乱した美桜は、鉄格子を力一杯揺さぶって止めようとするが、鉄格子はびくともしない。
黒子は短剣を捨て窓の前に歩み出た。
そして、ゆっくり振り返って美桜を見る。
「美桜、約束してください。生きるって。」
「テツヤっ!」
「約束です。」
そっと笑うと、黒子は窓から飛び降りた。
「ぁぁ………………テツヤァァァーーーーー!!!」
黒子の姿が窓の外に消え、美桜は床に崩れ落ち、力の限り絶叫した。