第1章 【第一章】静かなる崩壊
「わっ、さつきちゃん!」
「元気?元気?」
「うっん…さつきちゃんもっ…元気で何よ…り。」
「おい、さつき。」
「ん?♪大ちゃん、何よぉ~。」
「美桜が潰れそうだぜ。」
「やだっ、美桜姫大丈夫?!」
さつきが背後から抱きついたので、両腕が首に絡んでいて、苦しかったのだった。
「げほっ、大輝…くん、ありがとう。」
咳き込んでいると、目の前にグラスが差し出された。
「はい、お水です。」
「っ!…テツヤ……び、ビックリした…」
「創立祭で大勢が入城しているので、今日は常に美桜姫に付いてます。」
「……そう…。」
何故か分からないけど…今確かに胸の中にチクっとした想いを感じた。
でも、桃井が黒子にじゃれる頃には何も感じないでいた。
『…?何だろう?』
暫く、久々に会った各地に散った友人と談笑していると、
「随分騒がしいな。皆。」
「(もぐもぐ)あれ~、みんないたぁ~。」