第3章 【第二章】(隙間)領主の想い
【赤司の想い】
青峰は自分の部屋に帰っていった。
怒りと苛立ちを背中に表しながら、俺の部屋を出ていった。
乱闘してきた刺客は、城の護衛に引き渡した。
しかし、
『きっと城中のものが、父の手に落ちている。…引き渡した刺客たちも逃がされてしまうだろう…。』
俺は、荒れ果てた自分の部屋を見渡すと、壁に飾られた絵に目を止める。
それは、幼い頃の美桜と美桜の母、王妃が庭のブランコで遊んでる絵だった。
幼い日の美桜を思い出し、小さく口角を上げると、そっと額の縁を指でなぞった。ふと額の宝石を押すと、暖炉から物音がしてゆっくり振り替える。
俺は、暖炉を覗きこみ隠し通路を見つけた。