第2章 【第二章】邪な想いと真心の想い
衛兵の間をすり抜け、姿を表した叔父は、歪んだ笑顔で、こちらを見ており、手を差し出していた。
「……叔父様、どうかこの2人は助けて……その為なら…何でもするから…」
狂喜に満ちた叔父を前に、2人を庇おうと必死に両手を広げ、立ち塞がった。
「ダメっ!美桜何を言ってるのっ!!」
「そうです、美桜姫!僕は貴女を守るためにいるのに!」
桃井と黒子が、美桜の前に出ようとした時、衛兵が槍を構えて狙いを定めてきた。
「何て勇ましく成長されたんだ、姫。……何でもか…何でも…」
「えぇ、貴方が望むままに…」
「分かった。では、姫、こちらにゆっくりとどうぞ。」
美桜はゆっくりと叔父に近づくと、叔父の手を取った。