第2章 【第二章】邪な想いと真心の想い
「用済みだ、やれ。」
叔父の穏やかな声は、衛兵に号令を出し、桃井と黒子を殺そうとする。
「いやぁーーーーーー!」
叫んだ美桜の声と同時に、黒子は持っていた煙玉を爆発させた。桃井の腕を引っ張り、美桜の部屋の隠し通路を走る。
「っ美桜姫!」
黒子は、美桜を想い顔を歪ませながら、必死に桃井を連れて逃げた。
煙が、部屋から流れ落ち着くと、桃井も黒子も消えていた。
『良かった…』
美桜は、姿を消した黒子達を想い、心のそこから安堵した。
「くそっ………。まぁいい、…では、美桜姫行きましょう。」
薄く笑う叔父に取り押さえられ、美桜は薄暗くなった廊下を歩いて行くのだった。