第2章 【第二章】邪な想いと真心の想い
玉座の間から、美桜が退席し、領主たちは立ち上がる。
「おい、赤司。」
「…何だい、青峰。」
「……なんでもねぇ……」
青峰は、赤司を見つめ赤司も青峰を見つめかえしたが、青峰の方が視線を反らせ頭をガシガシ掻いて、部屋からダルそうに出ていった。
「じゃあねぇ、赤ちん。」
紫原は。手をフワフワ振り、後を追うように部屋を後にした。
「じゃ、俺も行くっスね。」
その場にいた人間全員に向かってウィンクをして、黄瀬は足取り軽く部屋を出た。
「…赤司…」
緑間は、ゆっくり赤司を見据えた。
「何だい、真太郎。」
「………人智を尽くした結果なのか…?」
「……さて、何のことだい?」
「………もういいのだよ……。」
赤司のポーカーフェイスにイラつきを覚えたが、今この場でなにも出来ない自分に言葉がでなくなり、その場を去った。
「では、征十郎。領民に宜しく。」
「はい、父上。」
父に頭を下げ、部屋の扉に手を掛ける。
その瞳は、片方が赤から金色に変わった気がした。