第3章 菅原孝支 思い出を…
バレーをしている背中を
ずっと見ていた
戦っている背中に
何度も声をかけた
でも
あっという間に
三年経った
大好きな背中を
もう
見られないんだと
少し、悲しくて
この先
「菅原はさ、大学どこ行くの」
大学とか行って
「俺はN大学、は?」
色んな人と出会って
「私まだ決めてない」
色んな恋愛とか
「ええ!大学行かないの?」
夢とか
「…」
今より
いっぱいいっぱい
時間を重ねて行ったらさ
三年間も
菅原とのこの時間も
忘れてしまうかな
消えてしまうかな
それって
いやだな
「あのさ、私____
菅原が好きだよ」
「え?」
私
貴方を忘れたくないよ
菅原が私に向かって
ニカっと笑う顔が
頭をよぎる
「私、いい思い出だったねなんて言いたくない!
三年間頑張ってたみんなを!
三年間見守ってきた菅原を
いい思い出で終わらせたくないっ…
___大好きなの」
涙が溢れて
菅原の顔なんて見れやしない
涙をどうにかしようと
目をこすれば擦るほど
どうしようもなく溢れてくるの
「俺もが好きだよ」
「えっ」
ばっと上を向けば
いつものニカっと笑う
菅原の顔があって
「俺と結婚を前提に付き合ってくれませんか」
大きな手が
私の頬を包めば
優しくキスをしてくれた
照れ臭そうに笑う君を
また
思い出に刻みつけて
きっと
「う、うん…喜んで」
あなたが笑うたび
この三年間
この時を
思い出せるね