第12章 12章
俺が奈々ちゃんを守るためにやったことが
もし奈々ちゃんを傷つけてたなら
俺はなんでいま、ゆうゆちゃんと付き合ってるんだろう
奈々ちゃんのためにやったことが
どうして奈々ちゃんを悲しませなきゃ行けないんだろう
『だけど、多分それもただのわたしの負け惜しみなんだ
徹先輩のことが好きで付き合えなかったから
多分嫉妬してたのかもしれない』
『そしてね、それと同時に
徹先輩が彼女と話してるのを見て悲しくなった
なんでだろうね、わたしには京治がいるのに
なんで、徹先輩の事考えて泣かなきゃいけないんだろ』
それを聞いた瞬間教室に飛び込んで本当のことを話そうと思ったけど、それも奈々ちゃんに止められる
『でも、頑張って徹先輩のことは考えないようにしなきゃって言うのは分かってるんだ
京治のことも本当に好き
だけど、徹先輩がかっこよすぎるのが悪いと思うんだよね、なんて』
もうその声は笑っていた
『今の絶対徹先輩には内緒ね?』
『わたしにも京治がいるし、徹先輩にもゆうゆがいる
だから、もう昔みたいに戻りたいの
お互い好きな人いるけど、それでも大切な先輩なんだよね』
『あーそれでね、徹先輩に今回も怒ってしまったわけなんだけど、これからどう接すればいいのかな?』
これが、奈々ちゃんの俺に関する相談
……正直俺は嬉しいと同時にどうしていいかわからなくなったけど、これから俺がすべきことはわかってるつもりだよ
前みたいに接する
それが大事だよね
それなのに岩ちゃんが本当の事話だそうとするからさ〜
及川さん教室に勢い余って入っちゃったじゃん!
でも、そしたら奈々ちゃんは
……いつも通りって言うのかはわからないけど
怒ってもいなくて、作り笑顔やめて
なんてこと言われたら
俺もうやっぱり奈々ちゃんのこと諦めきれない
そして思わず泣いてしまった
男のくせに泣くなんて、って岩ちゃんに怒られそうだなぁ〜
でもこれで、奈々ちゃんと及川さんの関係も少しだけ元に戻ったってことにしていいのかな