第12章 12章
及川side
ゆうゆちゃんを教室に置いて奈々ちゃんのことを追いかけるけど、教室についても中に入る勇気はなかった
絶対奈々ちゃん話なんてしてくれる状態じゃないだろうし、とか思うとどうしても教室の中に入れない
悪いと思いながらも教室の中の話し声に耳を傾けると
奈々ちゃんが彼氏の話をしていた
いいな〜ほんとは俺が彼氏になりたかったな、なんて
自分で選んだことなのに後悔が溢れる
『あのね、実はわたしって――
昔っていうか一週間くらい前まで徹先輩が好きだったんだ』
岩花「「は!?」」
岩ちゃんもマッキーもその反応はひどいよ!?
なんて思いつつも嬉しさの方が心の中を占めていた
『でも、全然知らなくて気づいたら徹先輩に彼女出来てたの、バカだよねわたし』
あの時ちゃんと伝えてたら、
奈々ちゃんに無理矢理でも話を伝えていたら、って後悔が溢れてくる
『それで勝手に徹先輩にきれちゃって
彼女できてキれるって本当自分勝手だよね、わたし』
今すぐ教室に入って違うって言いたいけど、イマイチ奈々ちゃんの言ってることがもう理解出来なかった
奈々ちゃんが俺を好き……?
冷静に考えるとそんな天国みたいな話しあっていいのかと思ってしまう
『それでね、徹先輩のことほんとに忘れたくて東京にいったんだ
そこで、京治と光太郎とあって沢山遊んで
京治と付き合うことになって、もう吹っ切れたの!!』
そう喋る声は内容は彼氏ができて幸せで楽しいという内容なのに
声は震えていた……泣いてる?
『徹先輩がね、彼女できたなら勝手に幸せになってくれればいいや
わたしも京治と幸せになるからね
とかそんなこと思って帰ってきたんだよね
なのに、徹先輩の彼女みたら、なんであんな子と付き合ってるんだろうって思っちゃって
徹先輩はそこを含めて好きなのか、どうなのかわからないけど、徹先輩が一気にゆうゆと同じ人なんだって思っちゃった』
目の前が真っ暗になっていくのを感じた
俺のやったことが奈々ちゃんを傷つけたってこと……?