第11章 11章
トイレに入った瞬間思いっきり泣いてしまった
なんで?
わたし今京治のことばっかり考えたはずなのに
なんで?
青城のみんなとの思い出思い出して泣かなきゃいけないの?
なんで?
なんで、また徹先輩のこと思い出しちゃうの?
なんで、
もう前みたいに戻れないのかな
わたしがやってしまったことなのに
後悔が押し寄せてくる
みんなでチーズINハンバーグ食べた時楽しかったな
一静先輩の好きな食べ物だったよね
もうあの頃には戻れない
わたしがにげないで学校に行っていたら
徹先輩以外との距離は遠くならなかったのかもしれないのに
そんなことの後悔しか浮かばなくて
涙が止まらなかった
京治と付き合って幸せなはずなのに
本当に自分がよくわからない
青城のみんなに嫌われたくない
青城のみんなに距離置かれたくない
青城のみんなに合うのが怖い
青城のみんなとちゃんと笑えるかな
……前みたいに戻りたい
そんなことを光太郎のくれたお守りに願う
これ縁結びなのに何してるんだろ
明後日学校に行くの怖いな
――ドンッ――
トイレのドアが思いっきり叩かれる
光「奈々ー、大丈夫か?」
コイツは、女子のトイレにイチイチ口挟まないでよね
『うん、大丈夫だよ』
そう言って涙を拭う
トイレから出て洗面所まで急いで顔を洗う
洗い流した涙は後悔だった
後悔したってなんにもならないから
そんなの分かってるよ
だから、今はちゃんと京治のことだけ考えよう
ここにいる今
青城のみんなのことなんてどうにもならないんだから
『ごめんお待たせ、ご飯食べよ』
だからどうか明後日から宮城に戻った時に
青城のみんなと昔みたいになれますように