第11章 11章
赤葦side
この日奈々が帰ってくるのが遅くて
中学の時の友達と遊ぶって言ってたけど
そんな友達いるとは思えない
一体奈々はどこで何してるんだろう
はぁ、俺奈々の事考えすぎだな、勉強しよう
それから帰ってきた奈々を怒ったけど
奈々はよっぽど今日の用事が楽しかったのか
すごく笑顔だった
それから俺が風呂に入って奈々の部屋に戻ろうとしたら
『青城のキャプテンのことが好きだったみたい』
そう聞こえてきて俺の目の前が真っ暗になった
話を聞いてるのは悪いと思いつつも
その場から動けなくて話を聞いてしまう
要するに奈々は失恋したらしい
少しだけ気持ちが救われてる自分がどうしようもなかった
それから俺に追い討ちをかけるように
『初恋の人は多分京治だと思う』
そんなことを言われて
俺は自分が馬鹿だったことに気づいた
じゃあ、俺と奈々はずっと両思いだったのだろうか
今更そんなことを後悔してもおそい
……いや、奈々には別に彼氏がいるわけじゃないし、遅くないのか?
木兎さんへのトスなら0.5秒あれば答えが見つかるのに
このことに関しての答えはその後いくら探してもわからなかった
俺はまだ奈々のことが好き
そのことは前電話した時からわかっていて
昨日突然あった時だってその気持ちは全く変わってなかった
校門前で抱きつかれたことだって本当は嬉しかった
だから、もしまだチャンスがあるなら
今度は自分の気持ち伝えた方がいいよな
もういとこだからとか、考えるのはやめよう
――ガチャ――
赤「奈々、風呂次いいよ」
『け、けいじ!?今の話聞いてた!?』
赤「何言ってんの、早くはいってきなよ」
ごめんほんとは聞いてたけど、今はまだ待って
『うん!上がったらゲームしようね!』
光「おー!!早く上がってこいよ!!」
でももし俺が気持ちを伝えたら
この関係が崩れるとしたら
そう考えると怖かった
光「あかあしー!?大丈夫だ!!」
俺今そんな暗い顔してましたっけ
でも不思議とこの人に言われると、本当に大丈夫な気がするから不思議なんだ
ほんと木兎さんには敵わない