第11章 11章
徹先輩が家から帰っていく
片付けもせずにぼーっとしていたら
ふと目に入る学校の年間行事予定表
あ……そういえば忘れていたけど
明日から部活頑張るよとか言ったけど
テスト休みじゃん
テストなんてめんどくさいけど
徹先輩と顔を合わせなくていいと考えると
本当にありがたかった
このテストが終わるまでの10日間の休みを使って
なんとか徹先輩を忘れよう
でもわたしには相手に会う勇気はなかったし
学校で学年が違うといえども徹先輩とは一日一回は必ずどこかであっていたことを思い出す
『はぁ〜、やすも』
テストまでの一週間は休むことにした
でもなぁ、一週間も休みがあるんだから
………………
帰っちゃおかな!!東京!!
そうは決まると話は早い
テストはなんとかなるでしょ!
京治と光太郎には悪いけど内緒にして
びっくりさせようっと!
驚くことに、梟谷も明日からテスト休みなので
部活は休みらしい
……京治はテスト勉強しそうだけど
光太郎はわたしと遊んでくれるだろう
新幹線を見ると明日の朝7時発の新幹線が空いていた
7時か……はやいな
まぁてことは家は6時には出なきゃいけないか
でもこの時間なら朝練のない明日なら
多分はじめ先輩にも徹先輩にも合うことはないだろう
昼頃について一旦家に帰って
学校終わる頃に梟谷に迎えに行こう!
なんか、明日のこと考えるとワクワクしてきた
こんなに楽しみなんだから
徹先輩のこと忘れられるだろう
あしたは5時には起きなきゃ間に合わないか
――プルルルッ――
母「もしもし、奈々、あなたから電話なんて珍しいわね」
『あーうん、明日から1週間家帰るね』
母「え!?ちょっと何いって――」
『京治と光太郎には内緒にしてね
明日のサプライズなんだからね!』
それだけ言ってお母さんの返事を待たずに
電話を切った
その携帯には
及《明日話しあるから、朝迎えに行く》
そんなLINEが来てたけど無視した
徹先輩もさ、人が忘れたいって言ってんだから
あんまり連絡とかもやめてよね、ほんと
ふ〜、なんかいろいろあったし今日は寝よう
そう思い布団に入ると、なぜか涙が出てくる
わたしってこんな徹先輩が好きだったんだ
まぁいまさら遅いけどね