第10章 10章
三セット目が始まって
チームの地力の差が出てきてるけど
青城も烏野を突き放せないし、
烏野も青城を突き放せない
三セット目にきて
徹先輩が親治先輩の上げたトスを打ったり
翔陽のコートの横幅目いっぱいを使った
空間を引き裂くようなワイド移動攻撃だったり
があって流れがどちらかに行きそうにもなったけど
なかなかどちらも譲らない
でもどちらのチームもボールをつなぎ
疲れの色が見える
そんななかデュースとなり
25対25
徹先輩のサーブだ
お願いここで決めて――え?
「ミスった……!!
及川がサーブミスった……!!」
うそだ
これで逆転されてしまった
どうしよう、絶対みんな焦りがあるよ――
――ガガンッ――
はじめ先輩の強烈なスパイクが決まる
岩「これでチャラな
どっちだって同じ一点だ」
……はじめ先輩かっこいい!!!
この一点と一言でチームが崩れるのを防いだ気がする
そのまま一点づつとっていき両者30点台に乗る
そしてそこで英のフェイントによりブレイクして
うちが逆転する
お願いもう次で決めて
やっている本人より見てるわたし達まで
そう思ってしまう試合だった
そして、最後の一点
飛雄が翔陽にトスを上げる
誰が見てもドンピシャだったのに
なぜか青城のみんながブロックにいる
そして最後のボールは勇太郎の手にあたって
烏野側のコートに落ちた
体育館に静寂が起こる
――ピピーーーーーっ――
試合終了 セットカウント
2―1 (25-15/23-25/33-31)
「――ぅ、おっしゃあああああああああああああ」
……かった、かったんだよね?
――ピーーーーッ――
「ありがとうございました!」
試合が終わる
……
『……やったああああ!!みんな、お疲れ様!!
あ〜もうみんなかっこよかった大好き、お疲れ様!』
溝「神咲、準決勝あるからその用意してくれ」
『りょ〜かい!』
そっかなんかさっきの試合で
わたし集中力使い切った感あるけど
このあともうひと試合あるんだった
わたしでこんなに疲れてるんだから
みんなはどれだけ疲れてるんだろう
……みんなもうちょっとだけ、頑張って