第10章 10章
及川side
花岩「思いっきりでいいぞ」
及「わかってるよ」
24対23
コレをミスれば終わり
少しだけ中学の頃が思い浮かぶ
牛若という天才、そして飛雄という天才に出会い
俺は本当に焦っていた
けど
「6人で強い方が強い」
岩ちゃんに言われた言葉を忘れたことは無い
最後の中学の大会も結果は2位だったけど
俺はベストセッター賞を獲得した
それから俺は
牛若と、飛雄をぶっ潰すと誓い高校に進学した――
そしていま……
岩「お前が凹ましたい相手その2が目の前だ
思いっきりでいいぞ」
及「わかってるよ」
そして俺はサーブを打つ、多分今日一番の威力
それは直接コートに帰ってくる
ここでは俺はセンターからの速攻がベストだと分かってる
けど、俺は岩ちゃんにあげた
――ドガガンッ――
日「うおっしゃああああああ」
第二セット修了 23対25
岩「くっそがァァァスマン!」
及「ははは」
俺は思わず笑ってしまう
岩「何笑ってんだぶん殴るぞ」
及「すぐ殴るって言うのやめなよ岩ちゃん」
岩「安心しろおめーにしか言わねーし殴んねーよ!」
及「今のはセンターからの速攻がベターな攻撃だった
でも恐らく飛雄は今俺がレフトに上げると読んでいた
……この意味わかる?
今までみたいに機械的に考えるだけじゃなく
終盤・こっちの劣勢っていう状況・岩ちゃんと俺との超絶信頼関係」
岩「あってたまるかそんなもの」
及「そういう総合的な判断をしてきたって事…!
あの〝爽やか君〟は飛雄に何を教えた
ただの独裁の王様が
マトモな王様になろうとしてる
なんだこれ
すごいムシャクシャしてんのにこの感じ…!!
はやく早くやろう
ファイナルセット!!!」