第10章 10章
『はぁ〜徹先輩今日はお疲れ様〜』
及「奈々ちゃんもね!
……明日は烏野との試合だし気合入れなゃ」
それから沈黙が落ちる
もうすぐ家に着くからどうってことないけど
『じゃあ、送ってくれてありがとう!』
徹先輩はなにか考えたように下を向いてる
一体なんなの
『徹先輩?わたしかえる――』
及「今日はごめん!」
『いや、そのことなら全く怒ってないってば!』
及「俺が勝手に烏野の人とか伊達工の人に嫉妬して
強く言っちゃった、ごめん
奈々ちゃんはほんとに悪くない」
『言われてみればわたしだって
青城のマネージャーなのに他校のみんなと――』
及「そういうことじゃないんだよ!」
いきなり大声を上げる徹先輩にびっくりする
及「そういう…ことじゃなくて……」
『徹先輩?』
それから10秒くらい沈黙が落ちる
及「ん〜、何言いたいか忘れちゃった!
ごめんね、引き止めちゃって」
絶対嘘だよね
徹先輩はいつも肝心なところを言ってくれない
何を考えてるのかわからないよ
『……そっか
あ、そうだ今日烏野の試合見てて思ったんだけど
翔陽の速攻のつかいわけかたね
〝来い〟と〝くれ〟だと思うんだよね
帰ってからきっと烏野と伊達工の試合見るんだよね?
それ』
カバンから少しはみ出てるDVDを指さす
『全然確証はないから、それ気にして見てみてほしい』
及「……さっすが優秀マネージャー!
ありがとね!」
『徹先輩のほうがよっぽど色々すごいよ』
及「え〜でも奈々ちゃんっているだけで
青城のみんなが笑顔になってるよ?」
『まぁ徹先輩いるだけで
みんなをイライラさせるもんね』
及「ちょっ!?ひどくない!?」
『ははっ、じゃあわたしかえるね!
またあした!!』
及「じゃあバイバイ☆
また明日も同じ時間に迎えに来るね〜」
『ありがと!!』
そういって徹先輩と別れる
途中何があったかわからないけど
最後はいつも通り話せてよかったな