第10章 10章
『烏野に負けたんだよね?』
二「…普通傷ついてる人にさらに傷つけること言う?」
相手が一通り泣き終わったのを見て話しかける
徹先輩に先に帰ってて欲しいって連絡をする
『下手に気を使うよりいいかなって
……名前なんていうの?知らないんだよね』
二「伊達工の2年の二口堅治、君は?」
『神咲奈々、一年生だよ』
二「知ってる、俺基本マネージャー全員覚えてるから
今日初めてあった人は一年生だから」
『…チャラ』
二「それさっきも言われたよねー」
このひとわたしがタメ口なことに何も言ってこないんだな
二「あのさ、俺っていい後輩に見える?」
『全然生意気そうだよ?』
二「だよね、この大会で3年生引退なんて知らなくてさ
俺全然先輩になんかしてあげれたつもりないし」
え
『3年生が……引退?』
二「俺全然まだ先輩たちと一緒に試合やるつもりだったのに
いきなり今日までだ、って言われても全然実感わかねーし」
堅治先輩……でいいのかな
悪い人じゃなさそうだしいいか
堅治先輩はまた少しだけ涙目になってる
『3年生ってみんな引退するの?』
二「多分学校によるかな
奈々のいる青城みたいな強豪は大抵残るんじゃない?
……だから俺だって春高まだみんなでやれると思ったのに」
『きっとそんな事言って欲しいわけじゃないよ堅治先輩の先輩は
なにか思いを込めて堅治先輩たち2年生に
伊達工を任せたんでしょ?
なのにそれでいつまでも泣いてるのは先輩のためにならないよ
今日は泣いていいよ、でもさ
明日からは先輩たちの思いを背負ってやれることをやるしかないんじゃない?』
二「……そうだよな
じゃあ、あとちょっとだけ泣いていい?
ダサいからほかの人にはいうなよ」
泣き終わって笑顔になった堅治先輩は
少しだけさっきより晴れ晴れした顔になっててよかった
二「ありがとね
このあと予定ある?夜ご飯おごるよ」
『やっぱチャラい』
二「これは俺なりのお礼の仕方なんだけど」
『……ラーメン食べたい』
二「俺のおすすめのラーメン屋あるからそこでいい?」
『まずかったら許さないからね』
二「後輩のくせに生意気」