第10章 10章
みんなが荷物をまとめて体育館から出ているけど
徹先輩がなにか監督と話してるからそれを待って
二人で体育館を出る
そこで後ろから声をかけられる
から徹先輩のファンの子かと思って後ろを振り向くと
男の人だった
「あの、すみません、及川くんインタビューいいですか?」
及「あ、ぜんぜんい〜ですよ☆
奈々ちゃんおれ変なところない?」
『うんイツモドオリダヨ』
及「なにその感情の入ってなさ」
「じゃあ早速なんだけど、烏野高校についてどう思う?」
及「いいチームですよね!
全力で当たって砕けてほしいですネ!」
『性格悪っ』
「あれ、たしか青城ってマネージャーいなかったよね?」
『あ、わたし一年生だから』
「キミはさ烏野高校についてどう思う?」
『いいチームだと思う、みんな優しいし
でも…明日勝つのは青城だけどね』
及「って、俺と言ってることは大した変わんないじゃん!」
『徹先輩みたく性格の悪い言い方してないから』
「青城はみんな仲が良いんだね
明日も頑張ってね、インタビューありがとう」
そう言っていなくなる男の人
きっとわたしのやつは使われないだろうけど
テレビのインタビューとか初めてで緊張したな
『んじゃあかえろっか』
そして監督からの話を聞いたりして今日は解散
差し入れをみんなで食べてる間に
『あ!!リュック忘れてきた!!
ちょっととってくるね!』
岩「俺一緒に行くか?」
『大丈夫大丈夫〜』
花「大丈夫じゃないから言ってんだけどな…」
そして客席にリュックを見つけて安心する
そこである人を見つけた
……さっきのひとだ
泣いてる?
『ねぇ、これ使う?』
ハンカチとティッシュどっちを出したらいいのかわからなくて
どっちもその人の前に差し出す
そのひとはわたしを少しだけ見て
ティッシュを受け取って涙を拭いた
『……おつかれさま』
ここにいてもどうしていいかわからなくて
帰ろうと思い立ち上がると
二「俺ってちゃんといい後輩でいれたのかな」
そう呟くその人
何があったんだろう
『はぁ、ひとりで泣いてたらかわいそうな人だから
泣き止むまでここにいてあげるから
早く泣いてよね』
二「……サンキュ」