第10章 10章
それから青城のみんなとアップを取りに行く
……と思いきや
及「奈々ちゃん準備早くない?」
『え?試合1時半からだよね?』
及「何言ってんの!
俺らの試合は2時半から!2時から公式WUでしょ!」
あれ……
なんだ!1時間勘違いしてた
『なんか、もうすぐだなってさっき緊張してた
わたしが恥ずかしいんだけど』
及「やっぱ緊張してたんじゃん」
『……でもほんとにもう大丈夫だよ』
岩「おい、及川外でアップとんぞ」
及「はいはーい☆
じゃあまたあとでね奈々ちゃん」
ほかの人たちも続々と外へアップを取りに行く
……わたし何してよう暇だな
烏野の試合を見に行きたいけど
みんないつ帰ってくるかわかんないからそれはダメだし…
まぁここにいようかな
幸いにもここからみんなの練習風景が見えるし
改めて思うけどわたしみんなのバレーの練習風景みるのが、スゴイ好きなんだなぁ
そんな事考えてたらみんな戻ってきて
体育館に入る、いよいよはじまるんだ
緊張はやっぱりしていない
烏野の試合が目に入る
――ドバンッ――
翔陽の全くトスを見ない変人速攻
『すごい…』
久しぶりに見てもそれはすごかった
岩「出たよ〝バケモノ速攻〟」
及「ホント天才ムカつくわ〜」
溝「やっぱ強烈ですね〜」
入「怖いねぇ〜 嫌だねぇ〜」
やっぱりみんな烏野のことは気にしてるんだね
……っていうか徹先輩!
天才ムカつくって言ってるけど
わたしが徹先輩のトスが世界で一番好きだと思う
って言ってるだからもういいじゃん!!
聞こえてくる周りの人の
「烏野の10番すっげーな…
あんなトス打てねーだろ普通…」という声に
岩「技術的に凄ぇのはスパイカーに完璧にトスを合わせてる
影山の方なんだよな…」
及「けっ」
なんて言っちゃってるし
もう徹先輩は全然わかってないな
飛雄と張り合う必要なんてないのに
きっと青城のみんなが必要なトスは徹先輩の
みんなを生き生きさせるトスで
それがみんなの力を引き出してるんだよ
だからそんな飛雄と比べるのやめてよねほんと