第10章 10章
西谷side
インターハイ予選初戦を突破した俺達だったけど
二戦目は、あの、伊達工だ
2年生と3年生は三ヵ月前の試合を知っているから
雰囲気もちょっと重いな…
俺はあの試合でブロックフォローが全然できなくて
みんなが安心してスパイクを打てるように
ブロックフォローの練習をしてきた
それに旭さんだって
三ヵ月前と一緒じゃない
新しい1年だっているし
前より俺達は確実にうまくなってる
なのに空気が少し重くて
自分もいつもより緊張しているのがわかった
そんな時大地さんと旭さんと三人でいたら
さっきトーナメント表の前で月島に助けられてた
青城のマネージャーがいた
月島にあんな事言わせるんだから気になってた
何より可愛いし
……って、俺は潔子さん一筋だけどな!!
それに青城ってことは
今日勝って明日当たる相手だしそんな軽々しく――
澤「おお、奈々!
って、大丈夫か!?」
え!大地さんまで知り合いなんすか
それから俺達のところにボールが転がってきて
それを取りに来たのは伊達工の二口だった
旭さんに「今回も覚悟しといて下さいね」
なんて言ってくる二口に奈々の態度は
俺からしたら本当にカッケーって思った
……青城とか抜きに仲良くなりたい
そう思い話しかけると
奈々が後輩だってことがわかった
『夕先輩』
……なんていい響きなんだろう!!
こんどアイスを奢ってやろう!
それにうちのエースの旭さんの
緊張ってか不安も無くならせてくれたし
本当に奈々に感謝だな!!
『また明日ね!』
そう言って去っていく奈々をみて
明日青城とやるためにも絶対負けられねーな
西「奈々っていい奴っすね」
東「あぁ」
澤「旭があの話するなんてびっくりしたぞ」
西「俺もっす」
東「ははっ、なんか奈々見てたら
ちょっと勇気出てきたきがしたんだよな」
西「旭さん奈々に今度あったら
もっとちゃんとお礼言わなきゃダメっすよ」
東「ハイ」
澤「どっちが先輩かほんと分かんないな
まぁ、奈々はさすが月島が惚れるだけあるよな」
西東「え!?」
澤「……いや気にしないでくれ」
いや、しますよ!
澤「……旭そろそろ行くぞ」
東「おう」