第10章 10章
トイレに行こうと思って歩き出すも足が震える
――ふーっ――深呼吸をする
落ち着け自分
そう思い歩き出す
何回かコケるものの朝みたいに転んではいないからセーフだと思いたい
そしてトイレに行く道に大地先輩を発見
ほかに西谷夕先輩と東峰旭先輩もいた
次の試合も頑張ってって言わなきゃね
そして大地先輩に近づく
澤「おお、奈々!
……って、大丈夫か!?」
完全に油断した
大地先輩に近づいてあと一歩で歩くのをやめようって
思ったのに、その瞬間また足が足に引っかかってころんだ――
のではなく
転びかけたところを
大地先輩が素早く受け止めてくれたおかげで
わたしは転ばずに済んだけど……
『うわぁ、ごめんごめんごめんごめん!』
いそいで大地先輩から離れる
うわぁびっくりした顔近かった
いや、身長差あるから全然なんだけど
ってわたし何言ってんだろうてんぱりすぎ
そしてさらにびっくりして三歩くらい後に下がると
どこからか転がってきたバレーボールにつまづき
本当に転んだ
ちょっとまって、わたしついてなさすぎだよ!!
いや、緊張してるからなんだろうけど
男「すいませーん」
バレーボールを取りに来る伊達工業と胸に書いてある
ジャージを着た生意気そうな男の人
あ、これが伊達工か
ブロックがすごい学校
男「あれっ、烏野のみなさんじゃないですか
って、君は青城の子だね
っていうかすごい可愛いね」
『チャラ』
男「……
あぁもうすぐ試合なんで烏野のみなさんよろしくお願いしますね
それから、さっきも言ったけど
今回も覚悟しといて下さいね」
なんか感じ悪いなこいつ
男「あ、それとさ君連絡先教えてよ」
『……いいよ、電話番号ね
080――』
徹先輩の番号を教えといた
男「じゃあ俺行きますね
あ、良かったら応援してよ」
『嫌だ、さっさとあっち行ってよ』
そう言うと去っていく伊達工の人
『なにあの人感じ悪っ』
澤「なぁ、アイツに番号教えて大丈夫なのか?」
『うん、徹先輩の教えといた』
そういうと大地先輩は呆れた顔でわたしを見ていた
でも西谷夕先輩は
西「かっけーっス!
あんなこと言えるなんて!
ウチのエースにその勇気別けてほしいです」
あれ……なんで敬語?