第10章 10章
でも、いまの翔陽の速攻
……ボール見てたよね
それからも翔陽の速攻はボールを見ていて
ウチとの練習試合でやった速攻は一度もやらなかった
溝「…烏野は…使いませんね…
例の〝トスを見ない速攻〟」
入「その代わりか…粗削りだが
〝普通の速攻〟が使えるようになってる…
下手くそな〝コースの打ち分け〟までしよる…
この短期間に余程有意義な練習試合でとしたかな…?
自分たちの武器を知り増やし
その試合ごとにベストな攻撃で攻める………
…色んなことが力任せだった危ういチームに
〝知恵〟がついたか
厄介だねぇ」
わらう監督
及「ホンット厄介なんだから…」
二セット目に入ってもう点数は21対12で
烏野が勝っていた
でも常波高校もタイムアウト明けから
雰囲気が変わり
どちらも手を抜かず諦めない
お互い本気で試合をやっていた
でも、試合は終わりがあるんだよね
――ピッ――
試合終了セットカウント
2―0(25―12/25―14)
そして横でわたし達の次戦う相手が決まる
大岬高校
うわぁトーナメント表の人たちじゃん
まぁ、誰が相手でも
ウチは負けないけどね
それから昼ごはんを食べてアップをとる
1時半から試合が始まるから
1時には公式のアップがあるからその前には行かなきゃ
今は12時40分
あああああ、何か緊張してきた
『ちょっと、トイレ行ってくるね…』