第8章 8章
なんでもないよ
そう京治に向けていったけど
ほんとはね死ぬほど会いたい
けど――
木「奈々お前泣いてんのか!?」
京治から多分無理やり光太郎は
携帯を奪ったと思う
赤「ちょっと、木兎さん」
って声が聞こえてくる
『だからなんでもないって!!』
木「そっか、でも俺は奈々に会いたくなったけどな!」
光太郎……
木「いつ帰ってくるんだよー、こんど」
『夏休みには帰るよ!』
木「夏休みって結構先じゃねーか…」
若干光太郎がしょぼくれてるのがわかって
笑ってしまう
木「奈々やっぱ笑ってるな!」
『わたしもね、会いたいよ二人に』
光太郎の会話をぶっちぎっていう
木「おう!じゃあ帰ってきた時会おうぜ!!」
会えるのは一日だけになっちゃうと思うけど
『あのね、光太郎
さっきから光太郎も言ってるけど、
わたし笑えるようになったんだ!』
木「ああ、知ってるぞ!良かったな!!」
電話からの声は本当に喜んでくれているのが
わかって嬉しかった
木「あ、奈々、赤葦に代わるな!
ちょっと用事あるから!!」
こんな朝早くから用事?何するんだろ
赤「木兎さん、朝5時から走ってるから」
疑問に思ったことを聞かなくても答えてくれて
京治は本当に流石だと思う
『そっか、光太郎早寝早起き主義者だもんね』
赤「なにそれ」
そういって笑う京治
赤「奈々、笑えるようになったんだっけ?」
『そうなの!!』
赤「誰のおかげで?」
誰のおかげなんだろう…
バレー部のみんなってことはわかるけど
特定のひとりはいないよね
『青城のバレー部のみんなのおかげかな!』
そういうと向こうで少しだけ沈黙がある
『京治?』
赤「そっか、よかったね」
そういった京治の顔は見えないけど
なぜか不安になった
けど
『うん!ありがと!』
そういって少し笑うことしかできなかった