第8章 8章
赤葦side
今はゴールデンウィークの合同合宿
今回は音駒が宮城に遠征に行っているので
音駒以外の、いつもの学校と合宿をしている
宮城か、いいな
別に行きたいと思ったりはしない
奈々と偶然会える可能性は低いから
それでも、
黒尾さんには正直奈々とはあって欲しくない
なんか黒尾さん危ないから
変な事考えてそうだし
合宿の四日目の朝早くに
木兎さんがいきなり叫んだことにより
目が覚めた
木兎さんを見ると電話をしてるようで
木「奈々が笑った!!」
そんなことを言っている
奈々が笑う……
俺や木兎さんがやろうとしてもやれなかったことを
誰かが奈々を笑わせたんだ
そう思って、いとことしては
その相手に感謝しなきゃ行けないはずなのに
なぜか
悔しい
どうして俺じゃないんだろう
ほかの知らない人のおかげで笑うくらいなら
木兎さんの方がまだよかった
そんな嫉妬のような感情が胸に現れてくる
でも、物事を考えながらも
ここで大声で話すのはほかの人たちに迷惑だと思い
木兎さんと一緒に外に出る
そして電話を代わってもらい奈々の声を聞くと
泣いていた
赤「え、奈々なんでないて――」
『なんでもないよ』
間髪入れずに入った声
それが、
なんでもないって声じゃないから聞いてるのに
奈々が泣いてて心配しなきゃいけないはずなのに
どうして俺はこんなに
奈々に会いたい
そんな感情の方が出てきてしまうんだろう