第8章 8章
岩泉side
奈々に励まされ
元気になったこともあったけど
あああああ!
やっぱ怖いもんは怖いわ
順番が近づいてくる度に
絶望感も増していく
おまけに悲鳴まで聞こえて
もう俺無理かもしんねぇ
……なんかこいつ楽しそうだな
岩「なんでそんな楽しそうなんだよ」
『ここでわたしまで怖がったら入れないかなって』
俺のせいか
そりゃ、さっきまで怖がってた奈々が
怖くねー分けないよな
それに俺が奈々に引っ張られるように
中に入ってったら及川や花巻松川に
バカにされるのは目に見えてるからな
……ここは男だし気合出すか
そう思い奈々の手を握る
不覚にもそれで緊張して
少しだけ恐怖が薄れた気がした
そして、ここは男を見せるか
そう思い
岩「いくぞ」
奈々の手を引っ張って森の中に入った
……それはいいが
入ってすぐに俺はダウン
立場が入れ替わっていたと思う
それに最初に誰かに驚かされた時
死ぬかと思って走り出してしまった
うしろから奈々が
『はじめ先輩まって!!』
そう言ってきてるのは聞こえるけど
悪い無理だ
そしてしばらく無我夢中で走ってたら
『限界』
そう言われ腕を引っ張られて
やっと我に帰る
俺なにダサいとこ晒してんだよ
……かっこわりぃ
『人がいない』
そう奈々に言われて初めて気づく
岩「ここどこだ?」