第8章 8章
それって
『はじめ先輩は徹先輩が大好きってことでいい?』
岩「いま俺達のことは関係ねぇだろ」
そういって顔を背けるはじめ先輩
『大丈夫大丈夫、徹先輩には言わないよ
はじめ先輩は徹先輩がモテて羨ましく思ったりしないの?
幼馴染みだから告白の手紙渡されることとかありそう』
岩「いや、好きな女に好かれなきゃ意味無いからな」
ほんとそれ
はじめ先輩がしっかりした考えを持っててよかった
それにきっとはじめ先輩だって
徹先輩には負けるかもしれないがモてると思う
『でも、はじめ先輩ももてそうだよね』
岩「……好きな女に好かれなきゃ意味無ぇだろ」
『たしかにそうだけど』
岩「でもまぁたまにクソ川が羨ましいと思うことはあるけどな」
『え、どんな時?
わたし的には完全にはじめ先輩のほうが
徹先輩よりも全面的に羨ましいと思うよ?』
どう考えても語尾に☆ばっかつけてる人より
はじめ先輩のほうがまともだし
岩「ははっ、ありがとな
もうすぐ及川くんぞ」
そしてわたしの頭に手を置きながら
立ち上がったはじめ先輩
って、え?なんでそんなことわかんの?
『そんな、いくらはじめ先輩でも――』
及「奈々ちゃん!岩ちゃん!
あ〜無事でよかった〜」
ほんとにきた……
そういいながらわたし達二人を
抱きしめてくる徹先輩
岩「及川汗スゲェから近づくなよ」
及「ふたりを探したんだからしかたないでしょ!!
ほらじゃあ戻るよ!」
そういって徹先輩は
わたしとはじめ先輩の手を片方づつ握って歩き始めた
及「また迷子になられたら困るからね〜」
岩「死ねクソ川」
及「ひどいっ!」
岩「でも、サンキューな」
消え入りそうな声で告げるはじめ先輩
及「へへっ、
俺は奈々ちゃんも岩ちゃんも大切だからね〜」
やっぱり
やっぱりふたりほど絆が深い幼馴染みは
いないと思うな