第8章 8章
そのはずなのに…
はじめ先輩は木が揺れたり
物音がするだけでイチイチ反応してて
見てて面白い
一静先輩がいってた
「奈々ちゃんナイス」
ってのはこんな反応のはじめ先輩が見れるからだね
ほんとに普段のはじめ先輩からは
想像もつかないよ
『先輩、こわい?』
岩「いや、ぜんぜん」
なんかすごい怖がってるはじめ先輩の横にいると
自分が頑張らなきゃって思って
なんか怖くない
それなりにわたし頑張ってると思うな
そしてしばらく何もなく歩いていると
突然横から白い服に血がついてて
ゾンビみたいな仮面をかぶってる人が飛び出してきた
……あの身長あの体型
一静先輩かな
わたしやっぱり人は大丈夫なんだなぁ〜
たぶんこれははじめ先輩も――
って、はじめ先輩!?
はじめ先輩がいきなり走り出した
ついでに手をつないでるわたしも走ることになる
でもさすが運動部足が速い
ちなみにわたしは運動が苦手ってことで足は遅い
『はじめ先輩まって!!』
岩「無理だ走れ!」
そんな無茶言われても…
わたし達が全速力で走ってるおかげで
ほかの脅かしてくる人たちのほうがびっくりしてた
そのなかに貴大先輩がいるのを発見した
わたしの冷静さにびっくりする
でも、途中から誰にも合わなくなった
おかしいなとは思ってたけど
先輩いわく、肝試しは毎年恒例らしいから
はじめ先輩は道がわかってるだろうってことで
任せて一緒に走っていた
けど
『まってまって!!もう限界!!』
そしてはじめ先輩の手をわたしの方に引っ張ると
はじめ先輩はようやく気づいてくれたみたいだった
岩「わりぃ!どっか怪我してねーか?」
さすがのはじめ先輩
息がひとつも乱れてない
『怪我は大丈夫!!
それよりさ、さっきからだれにも会わないんだけど』
岩「は、ここどこだ?」
は?なにいってるのはじめ先輩?