第8章 8章
当の本人のはじめ先輩は
さっきから何も話さないし動かない
『あの〜、はじめ先輩?』
及「あ、だめだめ奈々ちゃん
岩ちゃんきっと今口聞けないから!」
『口聞けないほどのことって何すんの?』
及「ん〜あのね、じゃあタイトルコールいっちゃおうかな
合宿最終日に向けみんなの絆を深めよう
3年生主催肝試しだよ☆」
あ、そういうことね
英や勇太郎、はじめ先輩がこんな態度なのがわかった
みんな知ってると思うけど
わたし死ぬほどお化けとか苦手だから
おばけ屋敷もちょっと歩いてから
逆走した過去もあるしね
あのときは京治が追いかけてきてくれて
光太郎がひとりになって
それでもおばけ屋敷も楽しんでたっていう
光太郎のすごさを知った日だったな
……ってそれはどうでもよくて!
肝試し?絶対無理
『ねぇ、不参加したい』
花「だめ
ちなみに、岩泉もすげぇこういうの苦手だから
二人ともがんばれよ」
楽しそうな貴大先輩
そんな他人事だからって、むかつくなぁ
松「おれらが隠れておどかすだけだから
そんな怖くねーと思うから大丈夫だよ」
ん?先輩たちがおどかすだけなんだっけ?
……じゃあ大丈夫かも
所詮相手は人間だから行ける気がする!
おばけ屋敷は作り物だとわかっても怖いけど
あくまで知ってる先輩達だ
よし頑張ろう
『はじめ先輩、くじ引いちゃってごめんね
でも大丈夫!
わたしに任せて!!』
岩「おまえさっきまで、すげぇ怖がってたじゃねーかよ」
あ、はじめ先輩がちょっとだけ笑った
『相手は先輩たちだよ!絶対怖くないよ頑張ろ!』
岩「まぁ、そうだな
脅かしてきたやつ及川だったら逆に殴ってやるか」
及「ちょ、岩ちゃん!?
まぁそんな余裕こいてられるの今のうちだからね!!
じゃあこっちの準備が終わったら
奈々ちゃんのケータイに連絡するから
順番は好きな順でいいけど
奈々ちゃんたちは最後ね☆」
岩「☆うぜぇ……」
はじめ先輩はやっぱりちょっと怖そう
私が来る前に1年と2年の先輩達はペアになってた
英をみると勇太郎とのペアで
……くじなのに仲良すぎでしょふたり