第8章 8章
ん〜、なんか合宿中の目覚めがあったかい
そう思って今日もまたやってしまったのかって
自分を責めた
けど、少したって自分の立場を把握すると
むしろ徹先輩にわたしが抱きしめられていた
……ちょっと徹先輩!?
そう思って気づくと心臓が早くなるのがわかる
自分で抱きしめて寝てたのとは
本当に訳が違う
でも、一応病人だということを考慮して
起こすのはためらわれたから
徹先輩が起きるまで待つ
けど
近くで見る徹先輩の寝顔は
まつげが長くて
肌綺麗だし
しゃべらないからうざくないし
この人もてるんだった
ってことを改めて考えさせられた
そしてその白いはだに
何を考えたのかわたしは触っていた
及「ん〜、奈々ちゃん……?」
急いで手を離す
あいにく徹先輩には気付かれてないみたいだし
『おはよう、徹先輩体調大丈夫??』
及「ん、看病ありがとね
結構よくなったよ!」
『ほんと?よかった!
一応熱測ってみて』
そして徹先輩の体温はもう完全に下がっており
及「奈々ちゃんが
及川さんに愛のこもった看病してくれたおかげだね☆」
って言ってて
いつも通りうざかったけど
昨日の元気のない姿よりこっちの方がよっぽどいいや
『そうだね
はじめ先輩からね連絡来てて
及川の体調よくなってたら昼から練習来い
だって
徹先輩練習いける?』
まぁ答えなんてわかってるよ
どうせ徹先輩は体調が良くても悪くても参加するんでしょ
及「さらっと、流さないで!?
うん、練習するよ!
とりあえずご飯食べに行かない?」
そしてご飯を食べて
薬を徹先輩に飲ませる
それから準備を済ませ
わたし達は練習に参加した
『今日倒れたら怒るからね
無理だと思ったら休むこと、いい??』
及「ははっ、奈々ちゃんの目は誤魔化せないからね
りょ〜かい☆
心配かけてごめんね」
ほんとに心配した
でもそれが見破られてたのがちょっと恥ずかしいから
『別に当然のことしただけだし』
あーあ、ほんとにわたし可愛くないな
及「大丈夫、及川さんはちゃんとわかってるよ☆
ありがとね」
そしてわたしの頭をなでて練習に参加していく徹先輩
徹先輩ってほんと優しいよね