第8章 8章
鉄朗に怒られること覚悟で電話したら
最初は少し機嫌が悪いのかな、って
思うこともあったけど
音駒のマネやってよ
そう電話口から聞こえた声はすごく楽しげで
思わず、変な声を上げてしまった
黒「ははは、なんつー声だしてんだよ笑
まぁ、わかりやすいように説明するとね
監督が君に帰ってこいって言った日から
音駒の合宿があるわけなんだけど
うちの部活マネージャーいないんだわ
だからその合宿ちょうど一週間だし
帰省ついでに俺らのマネージャーやって、ってこと」
聞こえてくる楽しげな声
……わたしは全然楽しくない
というか全然意味がわからない
『そんな、鉄朗の権利で決めれるわけないでしょ!』
黒「え、俺音駒のキャプテンだよ?
だから俺が言えば絶対なんだよね」
そんないくらキャプテンだからって…………
え……キャ、プテン?
『ええええええええええ!!
鉄朗ってキャプテンなの?3年生?
いや、やけに大人っぽい一年生だなとは思ってたけど』
黒「はは、まじ奈々ちゃんおもしれー」
そういって大爆笑してるであろう鉄朗
……鉄朗先輩?
『て、鉄朗先輩は』
黒「あー、いいよいいよそういうの
研磨だって俺のこと呼び捨てだし
あ、ちなみに研磨も二年な」
『え、研磨も先輩!?』
黒「でもあいつも先輩とかそういうの気にしないし
むしろ嫌いなほうだから、そのままでいいから」
『そうなんだ、わかった』
黒「あ、でねこれは俺の意志だけじゃなくて
監督も同意済みだから」
『え!猫又さんも!?』
うわぁ、あの人だけはほんとわたし逆らえないんだよね
……でも
『東京かえったら、幼なじみとかに会いたかったのに!』
黒「んー、まぁそれは悪いけど、別の機会にね
だってさっき、奈々ちゃん
なんでもする
っていったよね?」
鉄朗が向こうで絶対ニヤニヤしてるのがわかり
こっちはイライラする
けど言ってしまったのは事実だし
京治と光太郎のことは今回は諦めますか……
一日長くいて最終日にあうとか!
まぁいろいろ調節できるし、大丈夫!
『わかったよ、音駒のマネージャーやる
猫又さんにも言っといて』
黒「おう、じゃあ詳しいことはまた連絡するわ」
そして電話を切った