第5章 問題児!?な一年生
……なんだよ、親父見ながら照れやがって。
アイツの様子に俺はムカついていた。
相変わらず親父を見ている理緒に今度はおふくろが話しかけた。
「ねっ、理緒ちゃんがさっきから見てたのってこれ?」
おふくろが指したのは親父が持っていたグラスだった。
「あっ、……はい。とっても美味しそうに飲んでたのでいいなって…」
照れ臭そうに笑う理緒に俺は少し安心した。
「理緒ちゃんも飲むかい?」
新しいグラスを差し出した親父に
アイツは嬉しそうにグラスを受け取とると親父はビールを注いだ。
はぁ?!高校生に酒なんか勧める親どこにいんだよ!
「おい、酒なんて飲んでいいのかよ?」
「理緒ちゃんは実際の年齢は20歳をとうに越えてるだろ?問題ないだろ。」
そういう親父に賛同するように理緒も頷き
おふくろも一杯くらいならいいじゃないと勧めていた。
……一杯くらい……って良くねぇ気がするけど……
そんな事を思いながら美味そうにビール飲み干すアイツの姿に俺はゴクリと喉を鳴らした。
俺にも一口頂戴!
なんて言ったら親父に10年早い!と頭を叩かれた。
ちっ、ちょっと位いいじゃねぇか。
俺は食べ終えた皿を流しに持っていき
風呂に行った。
風呂から上がるとまだ理緒はリビングで親父とビールを飲みながら喋っていた。
「……明日も早いんじゃねぇのかよ。」
俺がそう言うと思い出したかのように理緒は風呂へと向かった。