第5章 問題児!?な一年生
自宅に着くと後ろに乗っていた理緒は自転車から降りるなり俺をじっと見ていた。
「なんだよ。」
「ヤスくん自転車漕ぐの荒すぎなんだけど!」
なんて言いながら膨れっ面で先に家に入って行った。
それはずっと俺の背中に当ててるお前が悪いんだろうが!
……まっ、その事を言ったところでアイツに変態扱いされるだけだしな。
俺の運転が荒かったとしておくか。
家に入ると理緒はおふくろと話しながら
夕飯のカレーを食べていて
俺もおふくろに頼んでカレーを用意して貰った。
おふくろに夕方に3杯も食べたのにまた食べるの?
なんて小言を言われたが腹へっちまったもんはしょうがねぇだろ?
理緒と一緒のテーブルで食べていると
お風呂上がりの親父がやってきてビール片手に
おふくろが用意した刺身で一杯やっていた。
しばらくすると理緒の手が止まり
親父をじっと見ていた。
それに気付いた親父は理緒にどうしたのかと尋ねるが
「あっ、別になんでもないです。」
とヘヘッと笑っていた。
俺は様子がおかしい理緒を暫く見ていたがやっぱり親父を見ていた。
……えっ、もしやアイツは親父みたいなのが好みなのか?
や、それは無い…あるわけがない!!
俺は自分に言い聞かせ
様子がおかしい理緒に直接聞いてみると
「な、なんでもないよ?」
それだけ言って黙り何か言いたげな様子でモジモジしていた。