第5章 問題児!?な一年生
【鎌先side】
理緒の帰りが遅いため駅へと迎えに自転車を走らせた。
……つーか遅せぇ。
もう30分以上待ってるじゃねーか。
別に迎えに行くとかLINEしてた訳じゃねぇけど。
俺は少しイライラしながら理緒が改札を通って来るのを待つ。
それから10分程で改札に向かってくる理緒を見つけた。
「理緒!」
名前を呼ぶと理緒が振り向く。
俺を見たとたんに嬉しそうに駆け寄るアイツの姿を見たらイライラなんて吹き飛んでいっちまった。
そして理緒は俺の腕に抱き着いてきた。
うっ…これは嬉しいけどこっ恥ずかしいだろっ。
人前で抱きつくなっ!
なんて怒鳴ればシュンとする。
あーもう、そんな顔すんなよ!
俺はの手を握り照れ隠しの為
足早に自転車置き場まで急いだ。
理緒を後ろに乗せ自転車走らせる。
……ちゃんとつかまっとけって言ったのは俺だけどさ……さっきからずっと背中に柔らけぇもんが当たってんだけど!?
ダメだっ!
絶対意識すんなよ!
俺は早く家に着こうと必死に漕いでいた。
途中が何か言っていたがそれも解らないぐらいに漕ぐことに集中していた。