第24章 月
赤葦side
眠っていたのに木兎さんに足蹴りされて何故か眠れなくなってしまった
窓を見ては、前に合宿した際のことを思い出す
居ないかもしれないけど、見に行こうかな
ゆっくりとみんなを起こさないように外に向かう
すると、小さいながらも誰の声が聞こえた
「ど...の?」
声の方に向かっていくと会いたかった後ろ姿が見えた
『ももこ?』
名前を呼ぶと後ろを振り向かれ自分の名前を呼ばれる
「け、けーじ」
視線が合うと誰かと電話してるのがわかった
思わず驚いてしまうも、会えた事が嬉しく自分の頬が緩んだのがわかった
ゆっくりと近付いていけば、電話のジェスチャーをしながらも小声で問い掛けると必死に肯定を表す様に頷いてる
電話をしているももこの横顔を思わず眺めてしまう、電話の声が微かに聞こえる、男の声....?楽しそうにしているので思わず胸が苦しくなった気がした
不思議に思いながらも自分の胸の辺りを触る、するとももこが不思議そうな表情でこちらを見てくるので首を傾げると
「あ!空たん、紹介するよ、幼なじみと言っても過言でもない、小学校が同じだった赤葦京治くん!はい、けーじ」
携帯電話を渡される、思わず硬直しては、俺?と小声で問い掛けてしまう
空たんって相手の名前の渾名で、女子?いや、男子のはず...だけど、混乱しすぎて解らなくなってきた
必死に戸惑った声を出さないように言葉を紡ぐ
『えっと....もしもし、ご紹介にあがりました、赤葦京治です』