第20章 合同練習
こーたろが台風のように行ってしまってから、静けさが残る
未だに少し遠くにいるけーじの視線をふと感じる
『びっくり、しました....ね?』
「.....そう、ですね」
ややっぱり、けーじは怒ってるよね、そんなすぐに歓迎ムードになられるとは思って無かったけどへこんでしまう
目線が合わせずらくなってしまい俯き視線を揺らすも、ゆっくりとこちらに近付いてくるのがわかった
至近距離で歩みを止めるも
「俺...の、名前、わかりますか」
ふと、変な質問に顔を上げてしまう、え??????
『あ、アカアシケイジさん、です?』
見上げながらカタコトになりながらも名前を述べるも、眉を寄せられ不機嫌な表情を一瞬浮かべる
ん???この、表情なんだか昔見た事ある、あ、拗ねてる時の表情だ
小学校の時の記憶、小さい頃のけーじの面影と重なった
おずおずとけーじの片手をそっと両手で取っては、
「けーじは、私の事もう嫌いになっちゃった?」
あの頃とは比べ物にならないくらいに成長した大きな手にそっと頬擦りしては、拗ねた時いつも私がしていた質問を問い掛ける
「.....!!そんなこと、あるわけ....」
『私は、その、けーじのこと今でもだーいすき!....なんだけどなあ』
「俺だって....」
相手の大きな手に頬を密着させたまま、へにゃと頬を緩める
あの頃みたいに無邪気に言えたら良かったんだけど、やっぱり恥ずかしくて目尻が下がる
すると、私の言葉を聞いては瞳を丸め眉を下げ言いずらそうにしているも、何処か溜息をつかれる
やっぱり、今更、だよね
ふと、突然温もりに包まれる
ぎゅっと背中に腕を回されては抱き締められていることがわかった
「俺だって、ずっと、あの頃からずっと大好きだ、会いたかった、忘れた日なんてなかった」
『......うへへ、私も、私もだよ』
「また俺の名前、呼んで 」
『けーじ!』
すると、抱き締められていた腕がそっと離れる、あの頃の様な幼く嬉しそうに表情を崩して笑ってくれる
また会えた、また話せた、良かった、覚えていてくれて