第20章 合同練習
バシン
『.....ぇ?』
あまりの驚きに声が漏れる
え??こーたろ、自分の両頬を自分で叩いたよね??え????
え、え、恐る恐るこーたろの顔を見上げると泣きそうな表情を浮かべ唇を噛んでいる
「木兎さん...?」
けーじも驚いたように瞳を丸めてはおずおずと名前を呼ぶ
「ほん、とーに、ももこなのか?あの?」
『あ、え、う、うん、久しぶり、こーたろ』
「....!!!」
顔をくしゃっと眉を寄せては嬉しそうに抱き寄せられる
「俺!は、俺らは、ずっと会いに来てくれるって約束を、待ってた」
まるでどこか祈るように確かめるように私の両頬に触れられると、私の額と額をくっつけては言葉を紡ぐ
こーたろの瞳がわたしを貫き、固まってしまう
「だけど、お前から連絡もないし、赤葦ともお前との話をだんだんとしなくなっていって」
額と額をくっつけていたがそっと離れては何処か苦しそうに言葉を述べる
「それに小学校の記憶なんてすぐ忘れると思っててさ、俺馬鹿だから、あ〜!!なんだ、でもあの頃の記憶は今も残ってて」
うまく言えないのか自分の頭を抱え掻き毟る仕草をしている
ああ、良かった、忘れ去られたわけじゃなかった、今もこうして私を思い出してくれる人達が居たんだ
「久しぶり、だな!ももこ、!」
何処か嬉しそうに、小さい頃の様な笑顔を見せてくれる、がばっと抱きついてはぐりぐりと首に擦り寄せられる
『久しぶり、!こーたろ、、!』
「....木兎、さん?」
「ひいッ!!!」
何故が背後から凄い黒いオーラが見えるんだけど、こーたろの顔が一気に青ざめては震えてる
『あ、え、けーじ...?』
「自分の頬、どうするつもりなんですか....?」
「あ」
こーたろは今やっと思い出した様に自分の頬に触っては、段々とじんじんしてきたのか声を漏らす
『だ、大丈夫...?氷とってこようか?』
「いや!俺ならだいじょおーぶ!」
「木兎さん」
「うっ!」
「....氷、すぐに取ってきて冷やしにいってきて下さい」
「俺なら「木兎さん」わ、わかった!!!いってくる!!!!」
まるで風のように、いや台風が通り過ぎて行くよう行ってしまった