第18章 懐かしの匂い
赤葦side
「おーい、赤葦?大丈夫か?」
『...はい、大丈夫です』
なんであの時自分があんなことを言ったのか不思議で、あの子を掴んだ手を見詰める
暫く逃げる様に遠くに行ってしまったあの子を自分の手を見た後に見詰めると木兎さんに目の前で手を振られ声を掛けられる
まるでそう、あの子みたいで
「何だか俺も会ったことある様な気がしてさ、本当に赤葦が言った通り会ってたのかもな!」
ふと木兎さんを見ては、木兎さんも遠くへ行ったあの子の方向を見てはこちらを見て笑いかけてくる
__「....気の所為、じゃないですかね」___
あの何処か視線を合わせないように俯き眉を下げて言ったあの子は
「赤葦、おいてくぞー」
『...今、行きます』
何処かでまた会えるような気がするのは、気の所為だろうか
あの子が行った方向に背を向けては木兎さんを追い掛けた