第18章 懐かしの匂い
研磨side
昔からの幼馴染であるクロの他に俺にはもう1人幼馴染がいる
その子は俺にとってまるで、絵本に出てくる
『むかーし、むかし、小さな森の深くに猫が住み着いていました』
「.....」
「おい、そっちいったぞ!」
「りょうかい!」
「....ここで、絵本よむの?」
『??ここで読むと2人の声もきこえるから』
「....わかった」
よく俺の家に遊びにきては、クロとももこ、幸駕にい、と遊んでいた
大抵は俺とももこは他2人の声が聞こえる場所に座っては、絵本を読んでいた
たまに無理矢理バレーさせられる時もあったけど、この時間が1番楽しみでもあったから
『 猫は森の動物達が仲良くしている姿を横目に見るも、遠回りしては日向がある所で寝て過ごしていました
ある日
月の光が導くように森を抜けた場所を照らしています
猫は不思議そうにまるでそこに誘われるかのようにふらふらと足を踏み入れました
すると、猫の鼻の上にそっと花弁が舞い降りてきました
ひらひらと舞う花弁達は綺麗な雪のようで光の具合で何故が金色にも見えて
見たことの無い光景に猫は目を奪われました
「きれい」
ふと、猫から言葉が漏れました、大きな木の下には幾つもの花弁がまるでクッションの様に重なり合っています
猫はそっと気持ち良さそうに丸まってはまた夢の中へと眠っていました
ふと、目が覚めるとクッションの様なまるで羽根のような花弁が無くなっています
「...ふふ、驚いた?」
辺りを見渡しても誰も居ません
「....誰」
「誰...でしょう、私を当ててみてよ」
「...じゃあ、いい」
「ええ!?もう行っちゃうの?ねえ、ちょっと!」
猫は面倒くさそうにそこから離れると、食べ物を求めて何処かに行ってしまいました