第18章 懐かしの匂い
暗い部屋の中,研磨とくろの声が響く
あの頃と比べて大人になった声、高くなった身長、2人とも変わっちゃったのかな、なんて思ってしまう
「あー、あのさ、ずっとバレーを続けて3人ずっとこれからも仲良しな」
突然声のトーンが変わったので驚いたように研磨とくろの方を向くと咳払いしてはこっちを見て笑ってくる
「『当たり前』」
研磨と顔を見合わせては同じタイミングで声を発する
「約束、覚えてたんだ」
『...懐かしい、ね』
例え記憶一時的に忘れちゃったとしても、こうやってすぐに言葉が無意識的に出てくるって凄い事なんだろうな
「俺、バレー続けてて良かったわ、こうして研磨とも一緒に居られて、お前にもまたこうして出会えたんだからな」
「くろ、突然気持ち悪い」
『.....えっ、どどうしたの?』
「おい!俺は別に熱なんてないから、おでこに手を当てるな」
くろのおでこに手を添えて熱を測る仕草をするも、慌てておでこから手を離される
『私も、また会えて嬉しい、約束覚えててくれて有難う』
「うん」
「ああ、有難うな」